杜の都の住人さくらが日々の想いを綴る・・・ さくら草紙(Yahoo!)の 続編です


by withme95
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Palinca定演

6月25日(日)に 常盤木学園シュトラウスホール で開催された
Palinca 第14回定期演奏会に行ってきました。

力強くて迫力満点の男声合唱・・・・ブラボー!! でした。

第2ステージでの「中勘助の詩から」は、わかりやすいメロディにのせての
日本語の美しさ・・・・再確認できました。

第3ステージでの、中野重治の「新聞に載った写真」は・・・・
なんとも複雑な気持ちで拝聴しました。
というのも、私の中では、ここまで戦争の実態を突きつけた詩が、メロディを
得て合唱曲になるということが、すっきりと結びつかなかったからです。

最終ステージでの「路標のうた」が、詩曲ともに一番印象に残りました。




「新聞に載った写真」 詩 / 中野重治

ごらんなさい
こっちから二番目のこの男をごらんなさい
これはわたしのアニキだ
あなたのもう一人の息子だ
あなたのもう一人の息子 私のアニキが
ここにこのような格好をして
脚絆をはかされ
弁当をしょわされ
重い弾薬嚢でぐるぐる巻きにされ
構え銃 タマ込め ツケケンをさされて
ここに
上海総工会の壁の前に
足をふんばって人殺しの顔つきで立たされている
ごらんなさい 母よ
あなたの息子が何をしようとしているかを
あなたの息子は人を殺そうとしている
見も知らぬ人をわけもなく突き殺そうとしている
その壁の前にあらわれる人は
そこであなたの柔しいもう一人の息子の手で
その慄える胸板をやにわに抉られるのだ
一層やにわに一層鋭く抉られるために
あなたの息子の腕が親指のマムシのように縮んでいるのをごらんなさい
そしてごらんなさい
壁の向こうがわを
そこの建物の中で
沢山の部屋と廊下と階段とあなぐらとのなかで
あなたによく似たよその母の息子たちが
錠前をねじきり
金庫をこじあけ
床と天井とをひっぺがして家探しをしているのを
物盗りをしているのを
そしてそれを拒むすべての胸が
円い胸や 乳房のある胸や あなたの胸のように皺のよった胸やが
あなたの息子のと同じい銃剣で
前と後とから刺し貫かれるのをごらんなさい
おお
顔をそむけなさるな 母よ
あなたの息子が人殺しにされたことから眼をそらしなさるな
その人殺しの表情と姿勢とがここに新聞に写真になってのったのを
そのわななく手の平で押えなさるな
愛する息子を腕の中からもぎ取られ
そしてその胸に釘を打ちこまれた
千人の母親達のいることの前に
あなたがその中のただ一人でしかないことの前に
母よ
私と私のアニキとのただ一人の母よ
そのしばしばする老眼を目つぶりなさるな


「路標のうた」 詩 / 木島 始

遠くはるばるきた人の目は
わが身のゆがみ映す鏡

遠くはるばるきた人は
身内にはない 鈴を鳴らす

思いおもいに散らばりながら
いま同じ解けない謎と向いあう

なぜ なぜこうも歌いたくなるのだろう
この謎は つややかな誇らしい果物だ

声だす誰もが親しくなれる
音色の生みの親は誰なのだ?

おうい まだよそよそしいのか 誰と誰がだ?
くつろいで悪口も 言いあえないのか?

行きづまり 坐りこみ 倒れ伏すそのとき
歌から何か 道しるべがにじみでてくるか?

寝たきりのときには 歩く夢 駈けだす夢
匍いずりまわるときには 踊る夢 飛び立つ夢
人がみな 見えない鎖でつながれるのなら
新しい友よ 誰よりもきみとがいい この夢

曲りくねる回り道で とまどい分ちあいながら
とほうもない出逢いを待つ 宇宙すべて通り道・・・・
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by withme95 | 2006-07-12 00:30 | 合唱